句点とは?使い方・打ち方・位置のルールや読点との違い・見分け方を紹介

句点とは?使い方・打ち方・位置のルールや読点との違い・見分け方を紹介

文の最後には句点「。」を打つ。いうまでもない、日本語の基本中の基本です。ただ、かっこが絡む場合など、使い方に迷うときもあるのではないでしょうか。句点のルールについて本記事で確認していきましょう。

句点とは

句点「。」とは、日本語において文の終わりを示すための記号・約物です。英語でいうピリオド「.」に該当する日本語の記号といってもいいでしょう。

句点によって、区切りが明確になり、文章が読みやすくなります。句点は、基本的に文末に置かれ、文を終わらせる役目を果たします。区切りを読者に知らせ、次の文になったことを明確に示すのです。

句点の使い方・打ち方・位置のルール

句点の基本的なルールを確認しましょう。

句点の使い方・打ち方・位置のルール(1):文の終わりに打つ

句点は文の最後に打つのが基本です。文の終わりを明確にし、読みやすさを向上させます。

記号が文末にある場合は要注意です。間を持たせる、もしくは省略のために三点リーダー「…」やダッシュ「—」を文末に入れた場合は、基本どおりに文末に句点を打つのがいいといわれています(『朝日新聞の用語の手引 改訂新版』[朝日新聞出版]のように、「ニュアンスによって、句点を付けても付けなくてよい」としている書籍もあります)。

あのときこうすればよかった…。

疑問符「?」や感嘆符「!」を文末に入れるときは、句点は書かないのがルールです。あわせて、句点の代わりに一文字分のスペースを空ける(空白を入れる)のもルールとして覚えておくといいでしょう。

〇 忘れていた!   × 忘れていた!。
〇 忘れていた! 彼は嘆いた。   × 忘れていた!彼は嘆いた。

例外もあって、疑問符「?」や感嘆符「!」の直後に、かぎかっこ「 」・丸かっこ( )・ひげかっこ“ ”が来る場合や、文がそのまま続く場合は、スペースを入れる必要はありません。

〇 忘れていた!と彼は嘆いた。   × 忘れていた! と彼は嘆いた。

句点の使い方・打ち方・位置のルール(2):かぎかっこ「 」がある場合

かぎかっこで囲まれた文の場合、句点をどのように打つかには諸説あります。本ブログでは、『記者ハンドブック 第14版』(共同通信社)にある下のような打ち方を推奨しています。

(1)段落全体を構成する場合は付けない
「――――――――――」
[例]
「これ以上は話し合っても無駄だ」
突然の打ち切り宣言だった。

(2)段落の最後にある場合は付けない。
――――――――――。「――――――――――」
[例]
▷…会長は頭を下げた。「責任を取りたい」
▷「その問題は後で考える」
(政府関係者)

(3)直前に主語などの語句がある場合は、段落の最後にあるときでも、「と述べた」などの述語が省略されているので句点を付ける。
――――――――――「――――――――――」。
[例]
男性はひとこと「知りませんでした」。
それきり口をつぐんだ。

引用元:『記者ハンドブック 第14版』(共同通信社)

句点の使い方・打ち方・位置のルール(3):丸かっこ( )がある場合

丸かっこがある場合も、諸説あります。同じく『記者ハンドブック 第14版』の例を紹介します。

(1)部分的注釈の後は句点を付ける。
――――――――――(   )。
[例]
今月の消費者物価指数上昇率は0.5%(速報値)。

(2)文章全体の注釈、筆者名、クレジットなどは、かっこの前に句点を付ける。
――――――――――。(   )
[例]
手記の全文は次の通り。(原文のまま)

(3)座談会、対談記事の情景描写などで、段落の終わりのときは丸かっこの前に、文中のときは後に句点を打つ。
――――――――――。(   )
[例]
〇〇氏 政府の責任は重大だ。(一同うなずく)
――――――――――(   )。――――――――――。
[例]
…それは初耳です(と身を乗り出す)。ぜひ利きたい。

引用元:『記者ハンドブック 第14版』(共同通信社)

※かっこについて詳しく解説した別記事もぜひ読んでみてください※

句点の使い方・打ち方・位置のルール(4):改行後の句点

改行して新しい段落を始める場合でも、前の文の終わりに句点を打つ必要があります。改行で箇条書きをする場合も同様で、各箇条の終わりに句点を打つのが基本です。

こちらも例外があり、骨子のような簡単な箇条書きの場合は句点を打たなくてもかまいません。

本日のお品書き

・きゅうりとかぶのなます
・タケノコの天ぷら
・鮎の塩焼き
・山菜ごはん

また「追い込みの箇条書き」と呼ばれる表現で、各箇条を文中で並べる場合も句点(および読点)を打たないのが基本です。最後の箇条か、本文との切れ目に「―」や「…」を入れて句点を打って締めましょう。

当社のサービス内容は(1)インタビュー取材記事制作(2)リサーチ記事制作(3)イベントレポート制作…などです。

句点の使い方・打ち方・位置のルール(5):引用文の句点は原文のままで

引用文の場合、引用した部分を原文から変えてはいけません。文末に打ってある句点は、そのまま書けばいいのです。迷うのは、文章を一部だけ・途中で切って引用する場合ではないでしょうか。引用部分はかぎかっこでくくって明確に区別できるようにしつつ、文末に句点を打って締めましょう。

原文:精神的に向上心のない者はばかだ (『こゝろ』,夏目漱石)

引用文:「精神的に向上心のない者はばか」と私は思えない。

句点の使い方・打ち方・位置のルール(6):記事のタイトルや見出しには打たない

記事のタイトルや見出しには句点を入れないのが通例とされています。Webに掲載している記事の場合、簡潔にしてわかりやすくした方がいいとのSEOの観点で、句点の一文字も削るのが通例になったのかもしれません。

ただ例外があり、固有名詞に含まれている点は省略せずに書くのが望ましいです。「モーニング娘。」「キンタロー。」「りんたろー。」のような芸名で活動している人をタイトルや見出しに入れるために、句点を打っている例も見られるでしょう。

また広告のキャッチコピーでは、記号としての役割を果たすのではなく、見た目の印象を変えるために句点(や読点)が使われる場合があります。Webの原稿でも、オシャレな印象を演出するために、見出しなどにあえて使ってみるのも悪くはないでしょう。

日本の女性は、美しい。 (資生堂 TSUBAKI)
好きなひとが、できました。 (映画『耳をすませば』)

句点と読点の違いは

「句読点(くとうてん)」と呼ばれるように、読点「、」と句点が一緒くたんで語られている場面が見受けられます。文を区切って、わかりやすさ・読みやすさを向上させるための言葉としてひとくくりにできる部分は確かにあるのかもしれません。

しかし句点と読点、そもそも別物です。下のような違いが挙げられます。

句点読点
・文の「終わり」を示す・文の「切れ目」を示す
・文の最後に打つのが基本・文の途中に打つ
・次の文との境目を明確にする・文の構造を明確にする

句点と読点の覚え方

句点と読点のどちらがどちらかを判断する・覚えるには、それぞれの漢字に注目してみるのがオススメです。

句点の「句」には、口の字が入っています。口の字を「〇」だと覚えて「句点→〇がある→。」と覚えるのがシンプルでしょう。

読点の偏である「言(ごんべん)」には、頭のところに点「丶」があります。そこから「読点→点“丶”がある→、」と覚えてもいいでしょう。

句点を付けないとどうなる?

句点を付けないと、文の終わりがわかりにくくなり、読みにくい・誤読の恐れがある文章になってしまいます。下の例文を見ながら、句点の大切さを確認してみましょう。

(1)私が生徒を看病した机を3台並べた部屋はパンパンだった

(1)には、文末の句点がありません。ただそれよりも、シンプルに読みにくいと思った人も多いでしょう。理由は、句点がないために文の区切りがわからないからではないでしょうか。

(2)私が生徒を看病した。机を3台並べた。部屋はパンパンだった。

(1)は実は、上の(2)のとおり元々は三つだった文を、句点を除いて一つの文のように読ませた文です。(1)と比べると(2)の方がわかりやすい・読みやすいでしょう。

(3)私が生徒を看病した机を3台。並べた部屋はパンパンだった。

(1)を書き換えて(3)を作ってみました。思い浮かぶ情景を比べてみましょう。

(2)からは、短い文がテンポのよさを生み、生徒を看病するために“机を3台並べた「私」”の焦りのようなものが伝わってくるのではないでしょうか。

(3)は、過去を回想するシーンのように読めた人がいるでしょう。すでに看病を終えて、使用済みの机3台をどこか違う部屋に並べてみたら、大きな机で部屋がパンパンに…。“嵐の後の静けさ”のような、(前後の文脈で「生徒」が無事なら)達成感もしくは(看病が実らなかったら)虚無感が漂うような文といってもいいかもしれません。

今回は意図的に句点の位置を動かして“変な文”を作ってみましたが、同じように変な位置に句点を打った場合、読みにくい・誤読の恐れがある文章になってしまう点が伝えられたかと考えています。

句点のルールを押さえて実践あるのみ!

句点は、文章をわかりやすく・読みやすくするために重要な役割を果たします。基本を押さえて実践しながら、よりよい文章を作成していきましょう。

句点と一緒くたんにして語られる機会がある「読点」は、さらに厳密な使い分けが必要といわれています。本ブログでは別記事で詳しく解説していますので、あわせて読んでみてください。