
「買い取り」をご存知でしょうか?
広告業界や芸能業界では聞かれる言葉かもしれませんが、ほかの業界の方であればピンとこない言葉かもしれません。
買い取りを上手くできれば費用を抑えられるなどメリットがある分、デメリットも生じてきます。
買い取りとはどのような意味の言葉なのか、まとめて紹介していきましょう。
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●「買い取り」とは肖像の利用期限を設けない契約
●フリー素材でもあるように、買い取りにもルールがある
●安価が一番の買い取りのメリット
●買い取りではプロのモデルが起用できなくなるデメリットも
●まとめ
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※この記事は5分程度で読みきれます。
「買い取り」とは肖像の利用期限を設けない契約

買い取りとは、肖像の利用期限を設けない契約を指します。
キャスティングでは多くの場合、肖像の契約期間を3ヶ月間(1クール)・半年間(2クール)・1年間……と設けて、契約期限が過ぎたら更新料が発生するか肖像の使用をやめる契約を交わします。
ただ、一度撮影した写真や動画を長く使うとしたら、支払いも1度で済ませたいとあなたも考えるのではないでしょうか。
このようなニーズに応えるために、利用期限を設けないで肖像を提供するケースが買い取りによる契約なのです。
フリー素材でもあるように、買い取りにもルールがある

期限の制限がない写真や動画を探すとなれば、「フリー素材」を思いつかれる方も多いでしょう。
便利なサービスではありますが、使用上のルールが設けられており、撮影した写真をいつでも・どこでも好き勝手に使えるわけではありません。
買い取りの肖像にも同じく、ルールがあります。
いつまでも使い続けられたとしても、契約した以外の用途で使う場合にはキャストや事務所に許可を取らなければなりません。
簡単な店内POP用だと言って費用を抑えて撮影しておきながら、企業の広告として大々的に出す……といった悪事に繋がりかねないからです。
契約の際にキャスト側と協議の上で細かいルールは決められます。
読者モデルやサロンモデルには買い取りでもOKな人もいますが、芸能事務所はNGな会社が多いです。
芸能事務所はキャストを育てて、より大きい仕事に多く出られるように考えています。
買い取られた肖像によっていつまでも古いイメージが見られる状態が続くのは避けなければならないのです。
安価が一番の買い取りのメリット

買い取りのメリットは、キャストを安く起用できる点がまず挙げられるでしょう。
予算ありきで考える場合、読者モデルやサロンモデルの人を起用すれば安く抑えられ、買い取りならば契約期限も気にせずに済みます。
期限を気にせずに済めば、費用はもちろん、細かい更新作業が発生しません。
気に入った写真や動画が撮れればむしろ変える必要もないため、高いパフォーマンスをコストもかけずに維持できます。
買い取りではプロのモデルが起用できなくなるデメリットも

先ほどの説明したとおり、大手事務所のモデルが起用できない可能性があるのはデメリットでしょう。
仮に事務所が買い取りをOKしたとしても、読者モデルやサロンモデルとは違い、プロのモデルならば期限ありの場合の何倍も見積もり・請求される場合があります。
期限を区切らないデメリットがキャスト側にも発生するので、買い取りにこだわるならばお金で解決するしかありません。
また競合他社・商品の案件をセーブしてもらう「競合」をかけられないのもデメリットです。
“競合をかけて他社の案件を受けない”状態が一回きりの支払いで半永久的に続くのはおかしいとお分かりいただけるでしょう。
キャスト側のデメリットであるのは間違いないため、プロのモデルは買い取りを基本的にしないのです。

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●「買い取り」とは肖像の利用期限を設けない契約
●フリー素材でもあるように、買い取りにもルールがある
●安価が一番の買い取りのメリット
●買い取りではプロのモデルが起用できなくなるデメリットも
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買い取りのメリット・デメリットを説明してきましたが、費用を気にして買い取りを選択するならば、おのずと制作物のクオリティも下げざるを得なくなるのをお分かりいただけたのではないでしょうか。
定期的に肖像を切り替えていて更新は前提としていない企業は、買い取り前提で契約を交わしておいてキャスト側の確認の手間を省くのもありでしょう。
ただ、プロを起用するのはむずかしくなる点は諦めるしかありません。
一長一短な「買い取り」の契約、費用面のメリットだけに目が行きがちですが、デメリットもしっかり理解するようにしましょう。
